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夜明け前のノイズ

全一話

午前四時十二分、壊れたはずのラジオが勝手に鳴った。

砂嵐のようなノイズの奥で、誰かが僕の名前を呼んでいる。寝ぼけた耳でも、それが自分の声だとわかった。

声は短く言った。駅に行くな、と。理由は告げなかった。ただ、夜明けまでの四十八分をやり直せ、と繰り返した。

僕はベッドから起き上がり、窓を開けた。外の空はまだ青くない。世界が次のページをめくる前の、指先みたいな色をしていた。

ラジオのつまみを回しても、声は消えなかった。消えないなら、聞くしかない。そう思ったとき、携帯に見知らぬ番号から着信が入った。